こんにちは!ひなぴー7のおすずです!アンミカさんがテレビで黒は300色あるという発言をしてあのちゃんを困惑させるという映像を先日拝見しました。この会話の意図としては、おそらくあのちゃんは、 「黒」という名前の色は一意(ユニーク)だということを言っていたのだと思うのですが、それに対してアンミカさんは、「黒の系統」は300種類あるんだということを言って話がかみ合わなかったのだと思われます。今日は、色彩検定1級試験に合格した時の知識を活かしてこの件について考えてみたいと思います!
■ 色とは
色というものは ”個体” ではなく ”認識” です。いきなり眠くなりそうな話ですね。笑
私たちが見ている ”色” は、この3つの要素がないと成り立ちません。
・物質
・光
・視界
まず、個体、液体、気体など物質の何かしらがなければ、そりゃ色なんて見えません。
次に、物があったとしても真っ暗な場所ではその物質の色どころか存在さえもわかりませんね。
そして、物や光があったとしても、目をつぶっていたらもちろん見えません。
ということで、これら3つの要素がそろって、人は色の存在を確認することができるのです。
■ 色は目ではなく脳で見ている
みなさんに質問です。
夜暗いところで、建物や看板など初めて見る物の色が何色をしているかわかりますか?
これ、わからないんですよ!そんなことはないだろうと思う方はぜひ機会があったら試してみてください!でも、一度でも見ると、それが何色をしているのかわかります。例えば、暗いキッチンでも自宅の机が何色なのかわかりますよね?なぜか?
人は色を目ではなく、脳で見ているからです!
一度脳は色を認識すると、過去の記憶に紐づけて色を固定します。例えば、新しくプラスチック製品を視界に入れた際、今まであなたが見てきたプラスチックの質感と色をもとに、新しいプラスチック製品の基準の色を記憶します。そうすると、いつ何時見ても、実際にその色に見えてなくとも、もうその基準の色にしか見えなくなります。
では具体的に。
この紙切れは何色に見えますか?

若干、ピンクっぽく見えますかね。尚、この写真は薄暗いところでiPhoneを使って撮影しました。では次に、同じ紙をフラッシュを使い明るくして撮影してみます。
下に続く。
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・・・の、前に、紙切れと表現しましたが、実はこれ、レシートを裏返したものです。ではフラッシュを使用して撮影した写真をお見せします。

この色!みなさんが知っているレシートの色ですよね?これが今回の質問の答えで、
紙切れの色は白でした!
ところでみなさんも、レシートって何色?と質問されたとき、一般的には白と概ね回答すると思います。しかしこの写真を見ると、暗いときの写真の紙は確かに白色はしていません。しかし、
以下の質問において、
イチゴって何色?
オレンジって何色?
ブドウって何色?
照明の加減によって色は異なります!・・・なんて言いませんよね。笑
イチゴは赤
オレンジは橙
ブドウは紫
と回答すると思います!
また、明るいところで撮影したレシートにおいても、実は若干青みがかっているんだと言えばそう思えるかもしれません。しかしみなさんならこの写真を見て白だ!と判断できた思います。それは、今までにみなさんはレシートがどういう材質でどういう色をしているのかということを知っているからなんですね。
この現象を「色彩恒常」といいます。
また、日中は日が昇りますが夕方以降に日が沈みます。また天気も晴れていたのに次第に曇りになったという日もあります。しかし、日が当たっている、日が落ちて暗くなった、曇って日の光がなくなったのように明るさの条件が変わっても、「あ、レシートの色が変わった!」などのようなことは思いませんよね?白だと思い続けられます。
さらに日の有無や天気が良し悪しは、特定の物だけでなく目に入ってくるすべてのものがいつもと違う色が見えているはずですが、我々はそれに違和感を感じません。
このように、状況の変化により実際に見ている色が変化したとしても、固定された知っている色として認識できることを「色順応」といい、この現象はサングラスなどを着用してパッと急に状況が変化したとしても時間が経てば慣れるという人間の性質です。
この色彩恒常や色順応がなぜ発生するのか。それは前述の通り、
人は色を目ではなく、脳で見ているからです。
■ 色の見えには脳が介入しているということは
以上までで、色は脳が認識しているものを見せているということを理解していただけたかと思います。
ではそうなると、アンミカさんの「黒は300色ある」という件についてです。
仮に、あのちゃんが思ったであろう、「黒という名前の色は1種類では?」という質問に対して、
私の見解としては、人の数だけ黒の種類がある。です!
というのも、人間は機械ではありませんから、まったく同じということはありません。となると、もちろん脳も例外ではないわけです。そして、色は脳が処理を介している以上、人によって異なるアウトプットになっているというのは、可能性論だけで言えばあり得る話なのです!
だから!この写真、見たことはありますか?

一時期流行りましたよね?
このドレス、黒と青に見えますか?白と金に見えますか?のやつです。
この写真は人によって見え方が違いましたが、まさに色の見え方は人によって違うということがこれでわかりましたよね。よって、
黒という名前の色は人の数だけ存在する!
が、私の見解です!
さらに!
もしアンミカさんが「黒系統の色が300色あるんだ」という意味で発言していたとしましょう。
それについての私の見解は、
黒系統の色は無限にあります!です。
どういうことか説明しますね!まず下の図を見てください。

前回、下記の記事で色には有彩色と無彩色があることを説明しました。
過去の記事:洋服選びに困ったら!~part 1~
そして、白黒灰色は彩度という考えがないため明るさのみで表現されますので、この図のように色の幅は一方向となります。この図では一番右がみなさんの考えている黒色になるのですが、この絵の中にある白い丸のスライダーをまず一番右の黒に動かすとします。

そして、このスライダーを徐々に白側の方に動かしていくとします。仮に、1.0mm左に動かした色を選択すると、一番右の真っ黒に対して多少白色が入った黒になるので、まったく同じ色とは言えません。しかし、ほとんど黒色なので「黒系統」ということは間違いありませんね。次に黒側にちょっと戻して、0.5mm。これも少し白が入っているので全くの黒ではありません。
どんどんいきます!!
0.4mm、0.3mm、0.2mm、0.1mm・・・さらに攻めます!
0.09mm、0.08mm、0.07mm、0.06mm、0.05mm・・・もっといきますか!
0.009mm、0.008mm・・・もうやめますね。笑
人が見れる色数には限界がありますが、このように理論値で言ってしまえば、人間界におていて色はいくらでも作れます。
また、色は植物や水のように自然のものであるので、葉っぱ1枚1枚が個性を持った色を持っていたり、人間がみんな違う顔をしているのと同じく、色も限りなく異なるものが存在すると考えてよいかと、個人的には考えています。
■ まとめ
いかがでしたでしょうか。色についての考え方はPCCSやマンセル表色系などいろいろな考え方がされている一方、まだまだ研究中でもあるので、これからもっと新しい発見があるかもしれませんね。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
よろしければこちらも一緒に読んでみてください!
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・洋服選びに困ったら!~春服編~
・洋服選びに困ったら!~過去に流行ったファッション part1~